まえがき
我が家は昔の家なので断熱施工が全くありません。
最近我が家初のエアコンを取り付けたところ、こいつの電気代が高いのです。
ならばというわけで、お手軽に断熱してみます。
第一回は天井裏のグラスウール施工です。
材料
グラスウール (住宅用断熱材)
地域区分(私の地域は IV です)と、天井裏というあまり自由の効かない空間での取り扱いのし易さを考え、厚さ 100mm の HG 16Kg 品を使用しました。
参考(外部リンク): 住宅事業建築主の判断基準における地域区分
グラスウールはホームセンターで売られていますが、今回は以下のものを通販しました。
その理由は・・・
・モノが大きすぎてホームセンターから車に積んで帰れない。軽トラを借りて往復するのも面倒くさい
・16Kg HG 品はホームセンター店頭では在庫していない
グラスウールの仕様補足: 16Kg とは… 1m³ 当りの重量が 16Kg という意味。数字が大きいほど断熱性能は高いが、硬く重くなる。よく使われるのは 10Kg, 16Kg, 24Kg の三種。 HG とは… 高性能品 (High Grade) を意味し、ワンランク上の断熱性能を持つ。HG品 16Kg は普通品の 24Kg と同等と考えればよい。私が使った会社の製品ラインナップでは、「ポリカット」が普通品、「パワーポリカット」が高性能品。 厚さ… 50mm, 100mm, 200mm 等があり、厚いほうが断熱性能は高いが、取り回しがしにくくなる。 |
断熱性能とは関係ありませんが、グラスウール一枚当りの幅・長さも複数あり、それにより一袋当りの入数も違ってきます。施工してみようと思った方は部屋の大きさを測って最適なものを選んでくださいね。
2016/11/29 補足: 別件の DIY でまた買おうと思ったら、パワーポリカットがメーカーのラインナップから消えてました…。後継品は「ポリカット(R2.2)」というやつかな。しかし、これは 10Kg HG なのだ。パワーポリカットと同じ 16Kg HG 品という条件で現行品を見ると、「マグオランジュ」と「ナチュレ」が該当するようだけど、パワーポリカットよりちょっと高いんだよね…。下のリンクは、上のリンクと同サイズで同入数のマグオランジュ。厚さは 90mm になるようだ。 2017/1/19 補足: パワーポリカットはメーカーラインナップからは消えたが、選べるサイズは減ったもののまだアマゾンで買えた。油べとつきサヨナラ? キッチン換気扇の鬼強化 で使ってみたのだが、圧縮梱包状態からの復元力が弱く、明らかにこの記事当時のものより厚みがなかった。やはり現行ラインナップ品を購入することをお勧めする。 |
その他あったらいいもの
ライト … 探検隊が頭につけているようなライトなら両手が空いて作業が捗りますが、なければ懐中電灯やランタン、最悪携帯電話のライトでも作業はなんとかできます。私は昔バッタ市で買った下のような安物を使っています・・・つーか、バッタ市より amazon のほうが安いじゃねえかよ!損したぜ!
はさみと梱包テープ(透明フィルムタイプがお勧め) … グラスウールを切断したり、切断した開口部を塞いだりする加工に使う。
お手軽施工第一なので工具は基本使いませんが、グラスウールが施工箇所の寸法よりあまりにも長すぎて、折り返して重ねないと納まらない状況や、柱などが邪魔でグラスウールを相当圧縮しないと納められない状況でははさみとテープを使って加工します。安易にグラスウールを積み重ねて施工してはいけませんし、圧縮してもいけません。お手軽第一作業であっても、敢えて効果を下げるようなことはやめましょう。
グラスウールを切断するとガラス繊維が飛びます。皮膚につくと非常に痒くなります。また、屋根裏はクギが出ていたりして常に怪我をする危険があります。その意味でも、暑くても必ず長袖長ズボンを着用して作業しましょう。
施工
事前に、屋根裏点検口(大抵押し入れの天井板が一枚外せるようになっています)から天井裏がどういう構造になっているのかを確認しておきましょう。
我が家の施工前の天井はこのような感じでした。暗くてよく分かりませんが、何も敷かれていませんね。
在来工法の日本家屋の天井裏というのは床面(部屋側から見た天井面)に乗ってはいけません。板を突き破って階下に転落します。なので、基本梁や桁を伝って移動することになりますが、これにはかなり全身の筋肉を使います。また、棟(屋根の中央部分)は高さに余裕がありますが、端に行くほど低くなり、動作が制限されます。体重を掛けられる木材と空間がなく、端までたどり着けないこともままあります。
グラスウールを買ってしまう前に、屋根裏はどんな構造になっていいてどのサイズのグラスウールが何枚くらい必要か、どこまで体が進入して行けるのか、進入限界位置から足先や棒などを駆使してなんとか端までグラスウールを押し込めそうか等をなんとなくでも確認しておくとよいでしょう。
さて、事前確認も終わり、グラスウールも手に入れたらいよいよ施工です。点検口は大抵人一人通れる位の広さしかないので、グラスウールの梱包袋を開けて、グラスウールを一枚一枚天井裏に運び込みます。
注意: 「グラスウールの梱包袋」というのは、グラスウール入りの袋を入数分一纏めに梱包している外側の袋のことです(上の写真では黄色の部分)。決してグラスウール一枚一枚を包んでいる袋は破らないでください(上の写真ではピンク色に見える袋)。前述の通り、グラスウールは細かいガラス繊維からできており、これが肌に刺さると皮膚に見えない傷がつき、炎症を起こして猛烈な痒みを引き起こします。(人体には痒い以外の害はありません)
また、袋の片面は防湿シートになっているため、袋を破って中身を出してしまうと防湿能力が失われてしまいます。
さて、天井にグラスウールを隙間なく敷き詰めていきます。グラスウールには裏表があるので気をつけてください。防湿加工のされている面を部屋側に向けて敷き詰めます(こちらを部屋側に向けよの旨の表示があります)。
天井裏がまっ平らで、途中に柱も補強もなければ、グラスウールを敷き詰める作業自体は、なんということはないのですが、実際はそうもいきません。柱や補強がある場所はグラスウールの袋の幅と合わずうまく敷けないことでしょう。お手軽がモットーですので、少しくらいでしたら無理やり押し込んでしまいましょう。しかし、グラスウールを圧縮しないと納まらない場合は、諦めて面倒でもはさみとテープで切り貼りしてください。グラスウールはガラス繊維間に空気を抱え込むことで断熱性能を発揮する仕組みなので、圧縮してしまうと空気層が減ってしまい、断熱性能が著しく落ちてしまいます。
グラスウールはできるかぎり天井板面が見えないよう隙間なく敷き詰めましょう。屋根の終わりのほうは狭く大変ですが足先や棒などを駆使し、筋肉と気合で頑張りましょう。グラスウールで塞げなかった空間は「断熱欠損」と言いまして、空気の流れを生んで断熱効果を低下させる他、寒冷地では結露と凍結、融解が発生し建物が傷む原因にもなりえます。とは言え、施工してみようと思う方は寒冷地住まいではないでしょうから、気にし過ぎないように。
壁が立っている部分は天井側から壁内の空洞が見える所もありますが、ついでに上から塞いでしまいましょう。床下→ 壁の中→天井裏へ抜ける空気の流れを抑えることで壁が放熱板となってしまうのを抑えられます。(本当は天井側の口を塞いだら、床下側の口も塞がなければならないのですが…無視します)
本来の天井裏グラスウールの施工では、本当にきっちり隙間なく敷き詰め、天井照明の電源端子部分なども丁寧に加工していきます。グラスウールの端はホッチキスのお化けで固定、壁との空間には小分けしたグラスウールを詰めたりして塞いでいきます。こうして断熱欠損を少なくするのですが、新築時でなければ完全な施工など所詮不可能です。無理をしたばかりに天井を踏み抜いてしまっては本末転倒ですので、ある程度で見切りをつけることも肝要です。
さて、効果の程ですが…うん、金銭的効果はありましたね…とはいえ、グラスウール代金の元を取るのはまあ無理でしょう。しかし、体感的に以前よりも暖かくなったので良しとしましょう。おきらくごくらく。
とはいえ、この温度計は少々大げさです。実際は目盛表示 +3~4 度くらい、精々 0 度前後の寒さだったかと思います。
今回の断熱施工ですが、部屋の保温力が上がったこともあり、再び炬燵生活に落ち着いてしまい結局エアコンは使っていません。どちらかというと、冬より夏の断熱効果に期待しています。
次回は、部屋の南面がほぼ全面ガラス、しかもフレームはアルミという断熱性の欠片もない窓をお安くペアガラス構造の窓に加工していきます。
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